章 569

しかしどれほど変だとしても、芸熙の唇が楽羽がこれまで味わった中で最も甘美な唇であることは否めなかった。離れがたく、香り高く、とても甘美だった。

それこそが楽羽が倫理を捨て去り、迷うことなく従妹とキスをした理由だった。三番目の従妹の唇とその舌があまりにも甘く、優しすぎたのだ。キスするたびに楽羽は彼女に溺れていった。

「ダメ。今夜はだめ」芸熙にもまだ自己防衛の意識があった。普段ならキスだけで良かったが、今夜は本当に違った。もしも、もしも、キスを超えた一線を越えてしまったら…それは芸熙が非常に恐れていたことだった。

芸熙はただの田舎の清らかな少女で、都会や社会の汚れに触れたことがなかった。アダルトサ...