章 579

左欣悦は玄関先で話している女性を見て、完全に見とれてしまった。

診療所の入口に立っているその女性は、左欣悦の女性に対する認識を根底から覆すような存在だった。

彼女は古典的な装いをしており、知らない人が見れば漢服愛好家だと思うかもしれないが、彼女は街中で気取って不格好な漢服を着る類の愛好家とは全く違っていた。

彼女の漢服はとても簡素で、素白の襦裙に、艶やかな黒髪は光を放つほど美しく、古典的な美しさが迫ってくるようだった。

瓜子顔と鵞蛋顔の間にある完璧な顔立ち、玉石のような輝きを放つ肌、青黛のような眉、小さな鼻の下には、女性である彼女自身でさえ思わず味わってみたくなるような、チェリーのような小さな...