章 119

「この世で誰が彼女を罵っても、責めてもいい。けれど、彼だけは絶対にダメ。」

なぜなら、彼女が外の荒波に目を向けなかったあの日々、すべての情熱と心血を彼に注いでいたのだから。

そうでなければ、彼がどうして天才少年の名を成し得ただろうか。

頭がまた微かに痛み始め、冷澜之は自分に言い聞かせるように、それ以上古い記憶を思い出すのをやめた。

冷澜之はまず太子府へ足を運んだ。

先日、彼女は太子兄に天候の異変について既に警告しており、太子兄もそれを重く受け止め、父上に報告した後、この数日は市民に早めに薪炭を蓄えるよう説得に奔走していた。同時に、商人たちにも商用の薪炭を事前に確保させ、いざという時に...