皇家のダメ婿と本妻サバイバル

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章 143

「姫様、お気遣いは無用です。あなたは我が盛国の最も尊き姫君、あなたをお守りし、お護りするのは下官の務め。それに、姫様は聡明なお方、下官がいなくとも婚儀の件はご自身で成し遂げられることでしょう」

冷澜之はしばし考え、一歩前に進み出た。

顾湛の真っすぐな背筋が一瞬固まり、敏感な耳が微かな鼻の動きを二度捉えた。

「顾典司、あなたの身に纏う香りはとても特別ね……」冷澜之は探るように尋ねた。

彼女は阿香に香袋を持って来させる前、何度かこの香りを嗅いだときに頭痛が和らいだことを覚えていた。

あの二度とも、意識が戻ったときには阿香が側にいたが、その後の接触では阿香からはその香りがしなかった。

思いが...