章 164

最近、天海城に関わる尚書と言えば、一人しかいないが……

そう思った瞬間、杜麗珍が得意げに言った。「あなたを田舎者だと言っても信じないでしょう。盛京からすでに情報が伝わってきたわ。戸部尚書が間もなく天海城へ向かい、伽羅公主に代わって救済物資を届けるそうよ!

戸部尚書府で最も寵愛されている妾は私の叔母なの。この縁故があれば、私は必ず尚書府に入れるわ。そうなれば、私も官家の奥様になるのよ」

戸部尚書が天海城へ赴くという話は聖上が急に思い立ったことで、杜家の者たちは当初知らなかったからこそ、先に出発していたのだ。

今になって戸部尚書が天海城へ行くことを知り、杜家はこの大樹に縋りつこうとしているのだろ...