章 242

太子は頬がひりひりと熱くなるのを感じた。

天海城が毎年、上位五位に入る農税を納めていることは知っていたのに、なぜか下意識にそれを忘れてしまっていた。

今、冷澜之の力強い問いかけを聞いて、心に後ろめたさを覚えた。

彼らは兄妹なのだ。彼は彼女を助けるべきだった。なのにどうして最近、彼は彼女の機嫌を損ねることばかりしているのだろう?

そんな疑問は、太子府に戻ってからも答えが見つからなかった。

一人の影が迎えに出てきた。「太子殿下、お帰りなさいませ」

太子が顔を上げると、表情が少しほぐれた。「秋お嬢さん」

秋お嬢さんはゆっくりと近づき、愛らしい顔に可憐な笑みを浮かべていた。近くまで来ると、その笑顔はだ...