章 266

栖鳳宮。

冷嵐之と太子が再び並んで立っている。

皇后の端麗な顔には、今は冷酷さが漂っていた。

パリン!

茶碗が太子の足元に叩きつけられ、皇后は怒りを露わにした。「愚か者!お前は自分が何者か忘れたのか?」

太子は成長してこのかた、初めて皇后がこれほど怒るのを見て、すぐさま「どすん」と膝をついた。「母上、お許しを」

皇后は深く息を吸い込み、怒りを抑えた。「よろしい、話してみなさい」

太子は言葉を整理してから話し始めた。「母上、今回の件は臣下の過ちではありません。伽羅があまりにも傲慢で、人を殺めるよう仕向けたのです…」

言葉が終わらないうちに、また一つの茶碗が足元で砕け散った。皇后は怒りで顔色が青ざ...