章 276

「これは越王が本宫へ支払った賠償金だ。なぜそんなに多くを持ち去るのだ?仮に取るとしても、十八万両だけのはずだろう!」太子は驚愕した。

冷澜之は微笑んだ。「もし私が気前よく十八万両を出して穴埋めしていなければ、今日の朝議で父上は皇兄を褒めるどころか、あなたを叱りつけ、さらに莫大な罰金を科していたでしょうね。この五十万両は、太子への褒美というより、私への褒美と言った方が正確かもしれません。十四万両残してあげたのは、十分道理をわきまえた対応だと思いますが」

彼女は太子を横目で見て、「たとえ全額持っていったとしても、文句は言えないはずですよ」と言い添えた。

元々は越王に罰金を科すよう自ら提案する...