章 280

建良帝が徳妃の宮から出てくると、冷嵐之が自分を訪ねてきたことを聞かされ、顔の笑みが一瞬にして引き締まった。

ここ数年、徳妃は彼にとって心を通わせる花のような存在だった。

彼女は温和で優しく、争いごとを好まず、また学識豊かで、様々な問題について彼に目から鱗が落ちるような提案をしてくれることがあった。

彼女は彼の悩みや心配事の多くを分かち合ってくれたが、功を求めることはなく、何かの褒美を欲しがったことは一度もなかった。

彼女の唯一の息子である越王のためにさえ、何かを求めたことはなかった。

そのため、四妃の一人でありながら、他の妃嬪たちから排斥されることも少なくなかった。

彼が偶然彼女がいじめられて...