章 311

冷澜之は彼がこのような質問をするとは思っておらず、その場に立ち尽くしてしまった。

しかしすぐに我に返り、礼儀正しくも距離を置いた笑みを浮かべて言った。「顧典司は誤解されていますわ。本宫はただ宮中へ急いでいるだけです」

心の中では少し不思議に思っていた。

顧湛はいつも礼儀正しく分別があるのに、この二度の出会いでは、少し礼を失しているように見える。

彼女が知るよしもなかったが、ある修羅は皇后が冷澜之と十八王子との縁談を望んでいると知って以来、胸に鬱積した思いを抱えていたのだ。

十八王子は若く、ハンサムで、身分だけを見れば、彼女に釣り合うと言えなくもない。

彼は老安国皇帝という老いぼれを眼中に入れな...