章 396

「平昭姫は地に響くような力強い声で言った。「十八兄が事故に遭う前日、彼は私を訪ねてきました。彼はまだ伽羅姫に未練があり、私に仲介役を頼んできたのです。伽羅姫と会わせてほしいと」」

この言葉が出た途端、朝廷中が騒然となった。

皆は平昭姫が十八王子はもう伽羅姫に諦めたというような話をするものと思っていた。まさか彼女の意図が全く逆で、海国の使臣を助けるものだとは誰も想像していなかった。

海国と安国の使臣は顔を見合わせ、賞賛の眼差しを平昭姫に向けた。

やはり、彼女が盛国でどのような暮らしをしていようとも、自分が海国の人間であること、そして母親がまだ海国にいることを忘れてはいなかったのだ。

た...