章 59

冷澜之は何も言わず、立ち上がってお茶を一杯飲んだだけだった。

冷澜之がまだ自分から口を開く気配がないのを見て、暁柔は唇を噛み、突然決心したかのように口を開いた。「姫様、暁柔、罪を犯しました」

冷澜之は茶碗を置いたが、手は蓋から離さず、淡々と尋ねた。「何が間違っていたのかしら?」

暁柔は深く息を吸い込んだ。「暁柔が姫様のお心を勝手に推し量り、大きな過ちを犯しそうになりました」

そこまで言うと慌てて顔を上げた。「ただ、駙馬様がここまで鬼畜だとは思いもよりませんでした。まさか姫様に薬を盛るなんて!もし駙馬様がそんな人だと知っていたら、絶対に姫様に手を出させるようなことはしませんでした」

彼女は頭を深...