章 61

その二人が薬屋の前で怪しげに立ち止まり、なかなか中に入ろうとしないのが見えた。

張仲謙は不思議に思わずにはいられなかった。

前方に人が隠れられる露店があり、しかもその二人の小間使いからも近いことに気づいた彼は、少し考えてからそちらに近づき、露店の陰に身を隠した。

すると、二人の小間使いが頭を寄せ合って、こそこそと何かを話し合っているのが見えた。

一人が言った。「なぜ駙馬様は俺たち男二人に紅花を買いに行かせるんだ?薬屋の店員に理由を聞かれたら、恥ずかしくて死にそうだぞ!」

もう一人が「はぁ」と溜め息をついた。「仕方ないだろう?駙馬様があれだけ潔白を保ち、側に小間使いと護衛以外の女がいないんだから...