章 8

すぐに沈逸之は群衆を掻き分け、馬車の前に立ち止まった。

彼は冷然と馬車の上の冷澜之を見つめながらも、護衛たちに向かって命令した。「止めろ!」

護衛たちは互いに顔を見合わせ、手を出し続けるべきか迷っていた。

確かに彼らは公主の親衛だが、公主は驸馬を深く愛しており、公主の姑でさえ彼らに指図できるのだから、ましてや驸馬本人となれば尚更だろう。

冷澜之も沈逸之をまっすぐ見返し、紅い唇を微かに上げながら親衛に命じた。「何をぼんやりしている?彼女たちを縛って、大理寺へ送りなさい」

沈逸之の端正な顔が曇った。「どうしてもこんな無茶をするつもりか?」

彼には理解できなかった。なぜ彼女がこんな風に変わってしまっ...