章 165

康時茂のこの言葉は、李常明に向けられたものではなかった。

それは直接、刑事たちに対して言ったのだ!

県の最高権力者として、彼には確かに李常明を飛び越えて、直接逮捕を命じる資格があった!

だから事務所にいた警察官たちは、一瞬にして顔色を変えた。

「何をぼんやりしている?康老の命令が聞こえなかったのか?」

そのとき、拘束されていた黄徳亮が突然前に飛び出し、顔に険しい表情を浮かべると、警官の一人から手錠を取り、陸晨に向かって歩み寄った。

「手を出せ、お前は逮捕だ!」

彼は身分のある人物だったため、それまで手錠はかけられていなかった。

「さすがは康様だな、威風堂々としてるじゃないか。でも聞きたいんだが...