章 76

「おや、寧公子、こちらは金城からお招きした漢方の権威、朱老先生です。金城どころか江南全域でも、その名声は唐神医に次ぐほどですよ」

孫という医者が恭しく言った。

話しながら、彼はいささか得意げな様子だった。朱老が来たのは彼の顔を立ててのことだったからだ。

「もう彼にはご足労いただかなくて結構です。私は陸神医をお連れしましたので」

寧東成は丁寧に言った。その口調からは先日までの鋭さが微塵も感じられなかった。

陸晨に三日間も門前払いされたことは、彼にとって実に深い学びとなっていたのだ。

「陸神医?神様でも連れてきたところで無駄ですよ!」

朱老は神医を名乗る者がいると聞いて、思わず嘲るように声を上げた...