章 142

手に一箱のコンドームを持っていた。

賀宜年は未成年で大学に入り、毎日クラスメイトと過ごしていたため、こういったものには特に馴染みがなかったわけではない。傅白に何でも良いと約束した以上、少し怖くても後ずさりするわけにはいかない。

傅白が彼の感情に気づかないはずがなかった。

「無理だと思うなら、君の発情期まで待ってもいいよ」傅白は彼にキスをして言った。「なんだか君に無理をさせているような気がして」

無理というわけではなく、ただ賀宜年が本能的に恐れているだけだった。

奪われ、所有され、これからずっとあるアルファと結ばれ、運命を共にする。

賀宜年はなぜか突然、賀広祥と衛盈盈のことを思い出した。彼は睫毛...