章 607

この瞬間、私は焦りで胸が張り裂けそうになり、苦しさが増すばかりだった。無意識に両手でそれぞれ胸の前のものを押さえつけ、必死に力を込める。窒息感に襲われ、今にも水面に飛び出したい衝動に駆られていた。

一度浴槽から出てしまえば、私と許慧の関係はすぐにバレる。韓冰は間違いなく包丁で私を刻み始めるだろう。

そう考えると、さらに焦りが募った。

実際、外の世界では数分はあっという間だが、水中では一秒一秒が永遠のように感じられる。

次の瞬間。

限界に達したと感じた。苦しさのあまり手に持っているものを握りつぶしたいほどで、黄泉の門が見えるような気がした。

だめだ、覚悟を決めよう。どうあっても浴槽で...