章 96

劉聡は何かを言おうとして口を開いたが、何も言わなかった。

私は張清に言った。「彼は武術の腕も良くて、是非もわきまえている。古代なら大侠と呼ばれる人物だ。そんな大侠が心底から従うというのは、とても深刻な問題を示している」

「どんな問題?」張清は好奇心を持って尋ねた。

「つまり、俺の人格が優れているだけでなく、他人にはない独特の魅力を持っているということさ。よく考えてみれば、筋が通ってるだろ?」

私は笑いながら問い返し、彼女が美しい眉を寄せて呆然としているのを見た。

続いて、私はさらに調子に乗って言った。「お嬢ちゃん、人を見るときは表面だけで判断しちゃダメだ。特に一見して取るに足らないような人を見...