章 427

劉旭の記憶によると、その黒い物体はボールのようだったが、それは煙突の側面に張り付いていた。だからこそ劉旭にはそれが一体何なのか分からなかった。その物体は明らかに煙突の内径より小さかったので、完全な球体なら底に落ちるはずだ。なのになぜ煙突の表面に張り付いているのだろう?

理解できなくても、劉旭はそれほど気にしなかった。とにかく今はその物体を火箸で挟み出したいだけだった。

火箸の先がその物体に触れた時、劉旭は少し引き戻してから、火箸を開いてそれを挟んだ。

触感から、劉旭はその物体の表面が非常にふわふわしていて、毛が生えているようだと感じた。

ああ、どうやら鳥が誤って煙突に落ちたようだ。

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