章 527

通常の場合、真犯人を特定するには証拠や証人が必要だ。しかし、この事件はすでに十年も経過しており、物的証拠は完全に消滅しているだろう。目撃者についても、いるはずがない。もしいたなら、劉旭が以前見た資料にも記載があったはずだ。

だが、もし劉旭が真犯人を捕まえることができれば、何らかの手段で自白させることも可能かもしれない。

そう考えた劉旭は外に出た。

茂みに隠れている野良猫たちをちらりと見やると、土壁の下にある石の台を踏み、塀の上によじ登って飛び降りた。

路地を抜けてバイクに乗ると、県城の方向へと走り出した。

来る途中、診療所の中を覗いたとき、李暁が中にいるのを見かけていた。ただ、彼女は...