章 545

劉旭がようやく車を停めると、呉妍は素早く地面に飛び降り、まるで何か汚れでもついたかのように、軽く尻を叩いた。

豪華な装飾が施された大きなビルを見上げ、劉旭は内心で不快感を覚えていた。彼の印象では、国家機関というものは基本的に内装が豪華であり、特に公安局のような場所はそうだった。おそらく彼の見識が浅はかなのだろうが、こういった機関は納税者のお金を使って自分たちの職場環境を良くしているか、あるいは何処かから掻き集めた不義の財で贅沢をしているとしか思えなかった。

とはいえ、真相がどうであれ劉旭には関係のないこと。どの都市でもこういった現象は存在しているのだから。

ビルをもう一度じっくりと見つめ...