章 486

「旦那様!大変です、名扬が連行されました!」

第五家の豪邸で、美しい婦人が大広間へと駆け込んできた。

これは風情ある古い屋敷で、客間の中央では第五家の老祖父が威厳に満ちた中年の男性とお茶を飲んでいるところだった。

艶やかな婦人は駆け込むなり老祖父の前にひれ伏し、何度も頭を地面に打ちつけた。

「ご先祖様、大変です、名扬が連行されました。どうか彼を救ってください!」

老祖父はため息をついた。「美珠よ、名扬にはこの災難が避けられぬ運命じゃった。救おうとしても無理な話じゃ。あまり悲しむでない、お前にはまだ娘がおるではないか」

美珠は第五名扬と火舞の母親だ...