章 1228

「その時になって、僕はようやく気がついた。その隙間から伸びた手が拳銃を握り、その銃口が直接旭さんの額に突きつけられていたことに。あの人が僕を見たかどうかはわからない。当時僕は腰を曲げて、旭さんの後ろに隠れていたから」

「くそっ」

「ドアの向こうから、息荒い罵声が聞こえてきた」

「深呼吸を二回して、僕は大声で叫んだ。『旭さん、身を低く!』」

「そう叫ぶと、旭さんは咄嗟にしゃがみこんだ。バン!耳をつんざくような銃声が響いた。あいつは撃ち損ねた。二発目を撃つ前に、僕は歯を食いしばって地面に二回転がり、手の銃をその男に向けた。どんな顔かはよく見えなかったが、考える間もなく、バンバンと二発撃った...