章 1320

「あいつは本当に金持ちだ。特に柳の親分のあれだけの事業を吞み込んだ後は、あの総資産が何桁になるのか想像もつかないよ」

助手席に座り、兄が運転する。兄はポケットからくしゃくしゃになったタバコを取り出し、二本に火をつけると、一本を兄の口元に差し出した。兄はそれを自然に咥えて深く一服し、満足げな表情を浮かべた。

「兄さん、なんだか不安だ。何か起こるんじゃないか?」

しばらく沈黙があった後、我慢できなくなった。ホテルを出てから全身に冷や汗をかき始め、心の中が苦しく、明らかな不安感に襲われていた。兄はタバコを咥えたまま目を細め、威厳に満ちた声で言った。「俺がまだ立っている限り、お前は大丈夫だ。今日...