章 555

「聳え立つ峰々は、私の手で赤く染まり、汗に濡れたその姿は、たまらなく魅惑的だった。」

「時間という概念にはとうに麻痺していた。どれほど経ったのか覚えていないが、かつてない酥麻感が背骨から天辺まで駆け上がる。黎韵は私が限界に近いことを悟り、疲れた様子ながらも甘い吐息を漏らしながら、私の動きに応え続けた。」

「絶頂の瞬間は、十数秒も続いた。」

「事の後、私は力なく彼女の上に倒れ込み、指一本動かす気力すら残っていなかった。」

「黎韵は満足げに私を見つめ、口からはまだ情熱の余韻を残した吐息が漏れていた。」

「ごめん、さっきは我慢できなくて……」

私は下に残された痕跡を見て、申し訳なさそうに口...