章 123

閉ざされた扉の周りには冷たい気配が漂い、時折吹き抜ける冷気が不安と恐怖を一層掻き立てる…

部屋の中では、黒い武装服に身を包み美しいシルエットを描き出す女が、苦しみながら修練を続ける男を見て口元を歪めていた。そう、その男こそ墨陽である!

「そんな目で見続けるなら、今すぐその眼球を抉り取ってやるぞ…」

墨陽は目を固く閉じたまま、口元を引きつらせて掠れた声で言った。しかし女は墨陽の言葉に少しも脅かされる様子もなく、懐から手拭いを取り出して墨陽の顔の汗を拭いながら、ゆっくりとした口調で言った。

「あなたはそんなことしないわ…私にはまだ利用価値があるから。お互いを利用し合っているのよ、誰も相手を傷つ...