章 138

銭千は自分の荷物から男性用の服の束と、清魅が護身用にくれた薬を取り出した。この薬を飲むと三日三晩眠り続けるという。もし朱雀にこれを飲ませれば、邪魔されることはなくなる。うふふ……

銭千は薬の瓶をぎゅっと握りしめ、悪魔のような笑い声を漏らした。

「バカな聖女……何をしているんだ?」

ふわりと響く声が銭千の耳に届いた。銭千はハッとして、急いで薬の瓶を自分の服の中に隠した。しかしその小さな動きも朱雀の目を逃れることはできなかった。

「何を隠している?」朱雀が尋ねた。

「何もないわよ!」銭千は振り向いて、"誠実"そうな顔で言い返した。朱雀はふふっと笑い、そんなの信じるわけがない!そして銭千の服を指さし...