章 271

鬼欣は手に持った腕輪を何度も見つめ、もう手放せないほど気に入っていた。

「お兄ちゃん、すごいね、本当に!」

皇易はちょうど鬼欣が感動した表情を浮かべているのを見て、彼女が手に着けている腕輪も目にした。鬼夜が心を込めて作ったものだと察した。

「皇易、見て、この腕輪はお兄ちゃんが私のために作ってくれたのよ。綺麗でしょう?大切に取っておくわ」鬼欣は幸せに満ち溢れ、皇易も彼女のために喜んだ。

彼も鬼夜がこの腕輪を作った意味を理解していた。鬼欣と固く結ばれ、生涯離れないという願いを表していたのだ。

残念ながら、彼にはそれが叶わない。せめてこうして形見にでもなればいいと思ったのかもしれない。

鬼欣は皇易が...