章 13

「このクソハエ、叩き潰してやる!」

「このハエ、人をいじめるようになったのか、叩き潰せ!」

二人の警官が四つの手のひらを振り回し、あおぐ動きはどんどん激しくなるが、神出鬼没のハエ兄貴を一向に捕らえられない。

突然、パシッという音!

警官の一人が悲鳴を上げ、顔に赤く腫れた跡が浮かび上がった。

ハエが彼の顔に飛んできたとき、もう一人の警官が反射的に手を伸ばして叩いた。結果、小さな標的は逃し、代わりに仲間の顔を思い切り平手打ちしてしまった。

ハエはまた反対側に飛び、続いてパシッと大きな音が響いた!

今度は、もう一人の警官も仲間に平手打ちされる羽目になった。

二人は顔を見合わせる。

「てめぇ、なんで俺...