章 176

姫春翔も物語のある人物だ。彼は姜帆に自分の若い頃の経験を語ったことがある。当時の姫春翔は貧しい若者だった。

努力を重ね、工学資格証を取得し、高級エンジニアになった。その後、偶然にも不動産価格の上昇を見抜き、不動産投資を行ったことで大金を手に入れた。

姫春翔は運が良かったと言う人もいるだろう。

しかし実際はそうではない。彼が努力家だったからこそ、運が良く見えただけなのだ。

そうでなければ、当時の帝都の住宅がそれほど高価でなかった時代に、不動産を買い占める人はほとんどいなかった。彼だけがその将来性を見抜いたのであり、これは運とは無関係だ。

長年の隔絶生活の中で、姜帆も諦めたいと思ったこと...