章 279

それは奇妙な青銅の品だった。中央が細く、両端が丸く膨らんでいて、小さな槌のような形をしている。表面には錆が斑に広がり、模様も摩耗して消えかけていた。

まさに発掘されたばかりの古物のようだ……

さすがは地下オークション、こんな青銅器をオークションにかけるなんて、きっと違法だろう。

その時、姜帆は突然、指輪が微かに動いたような感覚を覚えた。

「気のせいか?」姜帆はハッとして、心の中で思った。

指輪がまた一度跳ねた……姜帆の表情はたちまち真剣になった。

この指輪は並のものではない。物を収納できるだけでなく、薬の調合用の鼎に変化することもでき、太陽の真火で焼かれても少しも変わることがない。...