章 65

壁画の右側に正方形の穴が現れた。

その穴は縦横各一尺ほどの大きさだった。

趙方は小さな扉の前まで歩み寄り、手を穴の中に差し入れた。

しばらく手探りした後、奇妙な木製の鼎を取り出した。

その木鼎からは異様な香りが漂い、姜帆の本命蠱が落ち着きなく動き始めた。

木鼎の蓋を開けると、中には翼を持った虫が一匹入っていた。

趙方はその虫を見るなり、不気味な笑みを浮かべた。「火毒金蚕よ火毒金蚕、ついに成長したか」

すぐ隣に隠れていた姜帆はその言葉を聞き、顔に驚愕の表情を浮かべた。

「火毒金蚕!」

あの木鼎の中身が「火毒金蚕」だというのか!!

『薬皇秘典』によれば、この火毒金蚕はこの世で五...