章 121

午後、ようやく気合を入れて企画書の部分を完成させ、ついでに梁遠と警備員が集めた市場調査データをまとめて分析してみた。結果は予想通りで、二階の紳士服フロアでショッピングをするお客さんはカップルが多数を占めていた。

仕事に没頭していくうちに、唐苗苗との約束のことをすっかり忘れていた。梁遠が途中で「帰りに荷物を家まで届けてあげようか」と声をかけてきたときも、何も考えずに承諾してしまったくらいだ。退社時間になって梁遠に「行くぞ」と言われた直後、唐苗苗から電話がかかってきて、ようやく彼女の言っていたことを思い出した。

少し躊躇いながら梁遠を見て、申し訳なさそうに言った。「ごめん、まだ用事があるから、...