章 20

ロッセルの車で南浜路に来て、私たちは陶然居で遅めの昼食を取った後、ロッセルの催促に負け、あまり乗り気ではなかったが、彼をカフェに連れて行った。

ロッセルは専門家ぶった顔つきでカフェを一回り見回し、最後には長々と持論を展開したが、どれも無駄話ばかりだった。この小僧は典型的な勉強嫌いの金持ち二世で、役に立つことなど言えるはずがない。大学時代、一学期通して彼より新品の教科書を持っている奴を見たことがない。彼自身の言葉を借りれば、大学四年間の主専攻は「女遊び」、副専攻は「バー巡り」で、講義で教授が話すことなど、どうせいずれ忘れるなら、最初から脳細胞を節約して受け付けないほうがいいということらしい。

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