章 282

世の無常、変化は私たちの意志とは関係なく起こるもの。決意というのも、一時の血の巡りがよくなっただけかもしれない。私は数えきれないほどの分岐点で立ち止まり、迷い続けてきた。しかし遠ざかってから振り返ると、あの頃の自分がいかに幼稚だったかがわかる。目の前の霧に遮られ、遠くの方向が見えず、回り道をたくさんしてきたのだ。

だが唯一変えられないのは過去。おそらくすぐに、今の自分の決断を後悔することもあるだろう。でも少なくとも今は、自分を納得させる理由が見つからない。

祖母と一晩過ごした後、翌日私は早起きして、グループ本社へと車を走らせた。今日は株主総会があり、取締役会は私という新しい大株主の任命につ...