章 35

私は深く息を吐き出し、舒夏に頷いてから、客席に向かって話し始めた。「皆さん、岸辺の河音楽テーマカフェ初のバルコニーミュージックショーへようこそ。このショーは単なる目玉イベントではなく、音楽を愛する私たちが生きる方法を模索する場なんです。私たちはこの都市に暮らし、その便利さを享受する一方で、プレッシャーも背負っています。緊張と忙しさが日常となり、幸せな生活を追い求める私たちは、その道のりでどんどん疲れていく。今夜がその道の途中で一息つける場所になればと思います。音楽を通して、終点にある幸せがどんな形かを皆さんにお伝えしたい。そして、このカフェを気に入っていただき、心の駅として感情を預ける場所にな...