章 199

蘇北辰は李暁彤が無事なのを見て、医療バッグから黒い薬丸を取り出し、妊婦の夫に手渡した。

「なんとかして、奥さんに飲ませてください」と彼は深刻な声で言った。

「わかりました、神医様」

妊婦の夫は薬丸を受け取ると、すぐに家族に声をかけて妻の口を開かせ、自分の口から薬丸を移し入れた。

この薬丸は蘇北辰が極上の霊芝と江雁秋の工場で発見した太歳、そして十数種類の漢方薬を調合して作ったものだった。

重篤な状況で使えば、死にかけた人でも蘇らせる効果があるほどだ。

男が薬丸を飲ませるのを見届けた蘇北辰は、李暁彤が持っていた漢方薬の瓶を手に取り、一口飲んだ。すると体力と気力がかなり回復するのを感じた。

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