章 6

唐傲天は唐家の家長として、物事を迅速かつ厳格に処理し、これまで誰一人として彼の前で「ノー」と言う勇気のある者はいなかった。

しかし、彼が劉医師に手を上げようとした時、一人の若造に制止されるという、まさに前代未聞の出来事が起きた。

唐傲天だけでなく、病室の入り口に立っていた沈月までもが、驚きの表情で隅にいる蘇北辰を見つめていた。

「ふん、こんな大きな中医院で、実習医が出しゃばるなんて、面白いじゃないの」

沈月の嘲りを聞いて、劉医師の顔は赤くなったり青くなったりしたが、反論する勇気はなかった。

「お願い!お兄ちゃんを助けて!」

兄を救える人がいると聞いた唐悦然は、救世主を見つけたかのよ...