章 1056

「そう言うと、女の子はさっと向きを変えて歩き去ってしまった。

仕方なく、私はその老人を背負って西洋医学の診療所に入った。

診療所の中は人が少なくなく、何人かの患者が座って点滴を受けていた。

薬を調合していた看護師が私たちを見て、驚いた様子で尋ねた。「どうしたんですか?」「この方が転倒して、足から血が出てるんです。それに、てんかん発作を起こしたかもしれません。急いで医者を呼んでください、遅れると大変なことになります!」その看護師は慌てて奥の部屋へと走っていった。

もう一人の看護師が前に出てきて、老人をベッドに寝かせるのを手伝ってくれた。

私は長々と息を吐き、隣のベンチにどっかりと腰を下ろした。

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