章 1270

彼女が言いながら、後ろを振り返った。

「私の部屋には給水機があるのよ!行こうよ!」私は手を振った。

「どの部屋なの?」「義姉さんが言うには、『中医推拿室』って書いてあって、トイレのすぐ隣、この辺——」と私は言った。

「金水、随分早く慣れたじゃない。もうすぐに方向がわかるなんて」「ああ、義姉さんの説明を聞くだけで、頭の中にこの店の大まかな輪郭が浮かぶんだ。足で各部屋の距離を測るんだよ。これは盲人としての心得と経験さ。言っても分かりにくいだろうけどね」「行きましょう!」梅子は一度後ろを振り返ってから、私の手を引いて前へ進んだ。

後ろから足音が聞こえる。あの偉哥が私たちを追ってきているのだ。

む...