章 1283

「どうやら最初から最後まで、兄貴と義姉さんが仕組んだことだったんだな」

どういうことだ。兄貴は義姉さんが子供を産めないと知っていながら、なぜ彼女に俺との子を産ませようとしたのか?すべては親を騙すためだったんだ。

もちろん、重要なのは俺の出方だった。もし俺が義姉さんに無理やり手を出していたら、兄貴も黙って引き下がるしかなかっただろう。

でも兄貴は俺のことをよく分かっていた。義姉さんが頼めば、俺は心を鬼にできないと見抜いていたんだ。

あの時は兄貴が本当に偉大だと思ったよ。自分の妻を俺に差し出すなんて。

笑えるよな!でも、今は兄貴はもういない。文句を言えるわけがない。彼だって苦肉の策だったんだ...