章 1905

私は彼の全身から力が解き放たれるのを感じた。

そして突然、彼の体が動き出した。連続した小さなジャンプの後、稲妻のように一撃が私の胸元へ蹴り込まれる!「あれは稲妻蹴りだ!」十七号ボックスから声が響いた。

一見単純な蹴りだが、それは大道至簡、素朴な本質に立ち返った一撃だった!先ほどの連続蹴りには多くの隙があったが、この一蹴りは本当に完璧だった!速さも力も、どこにも欠点がない。

だが、それも同じ境地の者から見ればの話。私にとって、天眼の捉えた下では、彼の速度など全く速くなかった。

彼がこの一蹴りで勝負を決めようとするなら、望み通りにしてやろう!そこで私も気合いを入れ、一撃を繰り出した!覇龍拳!...