章 254

陳姓の青年はそれを見て、くすくす笑い始めたが、喜んだ拍子に傷を刺激してしまい、たちまち痛みで悶え始めた。だがそれで終わらず、突然喉に痒みを感じ、強く二、三度咳き込むと、なんと血まみれの肉片を吐き出してしまった。

「これは何だ?」

彼がそれが何なのか確認する間もなく、突然大量の血を吐き出し、気を失ってしまった。

「医者を!医者を!」陳育成は慌てて携帯を投げ捨て、取り乱して叫び始めた。

...

H市の拘置所は南郊の金石橋にあった。明け方、車の流れは良く、老刑事は二度寝をしたかったのか、車を猛スピードで走らせた。本来なら二時間かかる道のりを、彼は強引に半分の時間で縮めてしまった。

拘置所...