章 289

「へへっ…安心してよ!」

張遠は手を止めず、そのまま手を伸ばすと、桃源郷はすでに濡れそぼっていた。

「あっ…」

蘇美琪は身体を震わせ、思わず小さな吐息を漏らした。

張遠がまさに勢いに乗じようとした瞬間、突然リリが大きな声で言うのが聞こえた。「袁院長、私がドアをお開けしますね!」

蘇美琪は張遠がすでに袁雨薇を落としたことを知らず、袁雨薇が入ってくると聞いて驚き、慌てて張遠を押しのけ、急いで身なりを整えると、公務中のような顔でソファにきちんと座り直した。

「こんな重要な時に、台無しだ!」

張遠の胸の内では火がついたままで、発散できずに抑え込むしかなく、顔色が自然と悪くなっていた。

「可愛い弟、私今...