章 457

私はこちらに着くとすぐに車を降り、タクシーが去った後で、慎重に植え込みの方へと歩いていった。

そう、薬局の真向かいのこの場所だ。

この十万元を手に入れれば、すぐに馬帥に返せるし、楊晴晴も彼に借りがあるとは思わなくなる。

考えれば考えるほど興奮してきて、馬帥がお金を返された時の驚いた表情を見るのが待ちきれない気分だった。

手を伸ばしてポケットを探ると、さっきまでの浮き立つような気持ちが次の瞬間「ドキッ」と冷たくなった。

お金がない!黒いビニール袋もなくなっている!信じられずに周辺の植え込みを隅々まで探したが、どれだけ探しても見つからなかった。

終わった、計画が水の泡だ。

なぜないんだ?誰かこんな...