逃れられない誘惑

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章 52

「酒は三巡り、料理は五味を過ぎた。

潘俊杰は張さんのさらなる酒の勧めを手を振って断り、テーブルを支えながらふらふらと立ち上がろうとした。

「無理です、張兄貴。本当にもう飲めないんです」

張さんは大笑いしながら立ち上がり、潘俊杰の肩を叩いた。

「よくやった、潘弟。俺の目に狂いはなかった。お前は誠実な奴だ。お前との友情、俺は大切にするぞ!」

二人は肩を組み、よろよろと出口へ向かった。

ちょうど入り口に着いたとき、店の従業員が張さんを引き止め、丁寧にお辞儀をした。

「お客様、まだ精算されていない料金がございますが……」

「え?何の料金だ?俺はとっくに支払ったはずだが?」張さんは不機嫌...