章 220

「万が一を恐れるな」という言葉がある。

赵三斤は周到な計画を立て、万全の準備をしたように見えたが、今回相手にするのは邪術を操る妖僧・断尘法師だ。今に至るまで、赵三斤は断尘法師の正体を掴み切れずにいた。断尘法師が何か切り札を持っているのか、奇襲できる必殺技があるのか見当もつかない。おまけに孙柔を「人質」として送り込むことになり、任務の難度は否応なく上がっていた。

だからこそ。

赵三斤は少しの油断も許されず、自ら刘家に潜入して指揮を執る必要があった。万一の事態が起きれば、真っ先に断尘法師の部屋に突入し、孙柔を無事に救出するためだ。

今の刘家は表面上は平穏だが、実際には暗流が渦巻いていた。

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