章 307

白無双と断塵法師の関係は並々ならぬもので、今のところ、趙三斤が断塵法師を探す唯一の手がかりと言える。彼女と秦宛柔が知り合いであるかどうか、敵か味方かに関わらず、趙三斤は彼女が秦宛柔の手に落ちるのを黙って見ているわけにはいかなかった。

だから。

趙三斤にはあの女とソファーでそんなことをしている余裕などなかった。急いで戦いを終わらせると、ズボンを引っ張り上げながら部屋から飛び出した。

隣の520号室のドアが開け放たれていた。

趙三斤は入り口に立ち、中を覗き込んだが、不思議なことに秦宛柔も白無双も見当たらず、リビングには誰もいなかった。耳を澄ませてみたが、何の物音もしない。

どういうことだ...