章 312

白無双は美しくて魅力的な女性だが、秦宛柔と同様、武術の基礎を持っている。しかも腕前は弱くない。これは以前、梨園マンションの正門で逃走中に男性警官二人を軽々と倒したことからも明らかだ。

ただし、強いか弱いかは比較対象次第だ。秦宛柔と一対一で戦えば、白無双は優位に立てるかもしれないが、趙三斤と対峙すれば、やられるだけの存在でしかない。

白無双が拳を繰り出すと、趙三斤はよけもせず、すぐさま右手を伸ばし、五本の指を広げた大きな団扇のような手で、白無双の白く小さな拳をそのまま包み込んだ。

「白さん、さっきの言葉で気分を害したなら、罵ってくれていいよ。でも手を出すのは...やめておいた方がいい。俺は...